運動中の怪我対策特集☆ “止血法について” え!?かさぶたって作っちゃダメなの!? 皆さんも間違った止血法をしていませんか??
今回の特集は“止血法”について
今回の特集は“止血法”についてです。怪我に出血はつきものですよね。
正しい止血の方法をご紹介します!
傷の種類はどのぐらいあるの?
皮膚組織が損傷されたものを「皮膚損傷」と呼ぶ。
皮膚の役割はからだの中の成分を外に漏れ出るのを防ぎ、かつ細菌などによる感染から身を守っている非常に大切な組織である。皮膚表面に開放性の損傷があるものを創傷と呼ぶ。
創傷の種類
①切創(せっそう)
切り傷(きりきず)ナイフやカミソリ、割れたガラスのような鋭い刃物などで切り裂いた線状の損傷で組織の挫滅は少ない。
②裂創(れっそう)
打撃やひねり、過度な伸びによって皮膚が裂けた損傷
③割創(かっそう)
打撃などによる皮膚表面が割れた傷。顔面または頭部衝突など強い力により生じる。周囲の組織も傷つく場合が多いので多量の出血を伴う。
④挫創(ざそう)
衝突などにより組織が挫滅した傷。
挫創は皮膚表面に傷がないもので、内部の組織が傷ついたもの。スポーツでは、大腿部などにボールや器具などが打ちつけられて引き起こされる。
一般的には「打撲」である。出血は起こさないが、合併症を引き起こす可能性があるため、適切な処置を施す必要がある。打撲の処置については今回は割愛させていただくが気になる方はこちらを見ていただきたい↓
⑤擦過傷(さっかしょう)
擦り傷(すりきず)転倒などによる強い皮膚の摩擦により生じ、傷の中に異物(土や砂、アスファルトの粉など)が入り込んでいることがある。
スポーツでは、人工芝の上でスライディングによる火傷状のものやサッカー、ラグビーなどに見られる転倒で発生する。その他、刺し傷で起こる刺創(しそう)や動物などに噛まれて起こる咬傷(こうそう)などがある。
止血法にはやり方がある!?
では、出血してしまった場合、どんな方法で血を止めたらいいのだろうか?
止血法の種類についてご紹介しよう。
直接圧迫止血法(ちょくせつあっぱくしけつほう)
出血部に直接ガーゼや布をあて、その上を手で強く圧迫する方法。
圧迫止血法で十分な止血が得られればこれを持続する。
出血部を心臓よりも高くし、血液量を減少させた方が良いという方法もあるが、硬い面に押さえつけるようにすると圧も加わりやすくなる。
間接圧迫止血法(かんせつあっぱくしけつほう)
創傷面積が広いときや直接圧迫止血法では止血されにくい損傷があるときに行う。
出血部位より心臓に近く動脈の触れる点を手や指で強く圧迫して血流を止める方法。
動脈の位置などを把握しておく必要があるため、まずは出血部位に対してアプローチを行う直接圧迫止血を試みたい。
出血量が多い場合は医療機関にすぐさま搬送する。止血をする際は、感染症の恐れがあるため、絶対に素手で止血をしないこと!!!
指の小さな”ささくれ”でも血液感染をする恐れがある。止血用グローブやビニール袋を使用し、止血を行う。相手に不快な思いをさせないために『自分の手が汚れているからグローブを使用する』という様な配慮も場合によっては必要だ。
※止血用グローブ
止血をしよう!
スポーツで最も多い挫創、擦過傷の処置について。
①生理食塩水または流水で洗浄する
異物がある場合は流水をあてながらガーゼやスポンジなど柔らかな布で皮膚表面を撫でる様に除去する。
このとき、傷口に刺激による痛みを伴わない様に注意する。
②傷口を乾燥させ絆創膏など接着素材がつきやすくする
ガーゼ、あるいは傷口を傷用の軟膏やワセリンを薄く塗る。ドレッシング材(薄い透明なフィルム状のもの)を傷口にあて保護する。保湿環境を保つのが大切。
③テープで覆う
ドレッシング材が剥がれない様に、テープで覆う。
今ではドレッシング材とテープがセットになったものが市販されているのでそれを使用すると便利である。
消毒液を使わないの?と疑問に感じた方もいるだろうが、最近、消毒をすることで雑菌と一緒に皮膚再生に必要な細胞まで破壊してしまい、治癒が遅れることから傷口は流水で洗浄するだでよいということが言われている。
傷に潤いが大事!?
傷口を乾燥させてしまうと、周りの破壊された皮膚は硬くなり、その硬くなった皮膚がさらに柔らかい皮膚を刺激して2次的な創傷を作ることがある。“かさぶた”を作ってしまうとある衝撃で皮膚が割れ、また出血をしてしまう。その繰り返しが起こり一向に治癒しないことが多い。
傷口が泥や細菌に汚染されている時間が長いほど感染が起こりやすい。負傷者の血液がついてしまった場合はできるだけ早く流水で洗浄する。止血に使ったガーゼや布はそのまま捨てるのではなく、必ずビニール袋などに包んでから処分すること。
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